*

太陽光バンザイ?本当か?

公開日: : 最終更新日:2014/04/30 エネルギー関連ニュース

お疲れ様です。
太陽光バンザイという風潮がありますが、それは本当でしょうか?
事業活動をする立場、パネルメーカー、パワコンメーカー、電気工事業者、出資者?、それらの人たちには良い制度として全量買い取り制度が作られました。
しかし、それだけ美味い話、一方で割りを食うのは誰でしょうか?
それは、事業者と国民です。
昨年度から、電気料金の明細を見ると再生可能エネルギー導入賦課金という項目で良く分からない金額が請求されています。
これが今後増加していくのです。それもあと20年間。
これ、やり方が、少し汚いですね。
なぜなら、通常このような制度設計をするときは、国が税金として回収し、それを補助金として分配することにより、太陽光等の新技術の導入を促進します。
しかし、この買い取り制度、税金ではなく、電力料金として知らないうちに請求されているのです。
税金なら文句は言いやすいですが、電気料金として知らないうちに徴収されると文句も言いにくいですよね。
税金という形をとって国を通さず、電気料金という形を通すこのやりかた、実に巧妙。知らない人が多いはずです。

このような奇策に浮かれず、地に足を付け、エネルギーの合理化を図るお手伝いをしていきます。

原発に代わる「未来のエネルギー」は再生可能エネルギーではない – 池田信夫 エコノMIX異論正論
ニューズウィーク日本版
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140423-00124893-newsweek-bus_all

民主党政権が脱原発のお手本にしたドイツでは、再生可能エネルギーが経済の大きな負担になっている。今年2月、ドイツ政府の諮問機関であるEFI(研究・イノベーション専門家委員会)は、再生可能エネルギー法(EEG)は電気料金を高くするだけで、気候変動対策にもイノベーションにも役立たないという報告書を発表した。

それによると、EEGによる再エネ支援額は2013年には236億ユーロ(約3兆3200億円)にのぼり、電気料金の約20%が再エネ発電事業者への支援に使われ、ドイツの世帯あたり電気料金は80%も上がった。これはFIT(固定価格買い取り制度)の助成金が原因だ。産業用の電気料金も、EU(ヨーロッパ連合)平均より19%も高く、製造業がドイツから逃げ出す「空洞化」が起こっている。

FITの目的は、再エネを普及させて規模の利益を出し、そのコストを下げて技術開発を促進しようというものだが、EFIはそれは逆効果になっているという。風力も太陽光も今の技術はコストが高く研究開発を進める必要があるが、FITではどんな技術にも助成金を出すので、リスクの大きい新技術を開発するより古い技術で発電するほうがもうかるのだ。

原子力に代わるエネルギー源は風力でも太陽光でもなく、石炭火力である。「太陽光で原発の*基分」という報道がよくあるが、太陽光は雨の日にはゼロになるので、そのバックアップは火力しかない。それがドイツで現実に行なわれた選択である。ドイツの石炭火力発電所はEEGの施行後に増え、2013年には石炭の消費量が1990年以降で最大になった。

世界的に、石炭火力がブームになっている。日本でも、電力大手が石炭火力発電所の新設に動き出した。関西電力と中部電力は2020年代前半に100万キロワット級の発電所を建設し、東北電力も凍結していた火力発電所計画を復活させる。東京電力も計260万キロワットの火力電源を確保する計画を打ち出している。

これは賢い選択である。石炭の埋蔵量は200年以上あり、供給業者も世界に分散していて石油のような地政学リスクはない。価格も5円/kWh以下とLNG(液化天然ガス)の半分ぐらいで、余って下がり続けている。電力会社にとって石炭火力は、厄介な政治的リスクの大きい原子力よりずっと経営合理的だ。

たった一つの問題は、それが汚いエネルギーだということだ。WHO(世界保健機関)は「全世界で大気汚染で約700万人が死んでいる」という報告を発表したが、その1割の原因が火力発電で、その半分以上が石炭火力である。全米の石炭火力発電所は、毎年44トンの水銀、73トンのクロム、45トンの砒素を排出している。

日本の石炭火力はクリーンだといわれるが、年間22トン以上の水銀が大気中に排出されている。そのうち1.3トンが石炭火力から出たものと考えられているが、これは2000人分の致死量である。水銀の経口毒性はプルトニウムの1.5倍で、水に溶けて体内に蓄積するので、少しずつでも吸入すると健康に影響が出る。石炭火力は原子力よりはるかに危険である。

OECD(経済協力開発機構)の統計でも、石炭火力の発電量あたりの死者は(主として採掘事故で)原子力の約70倍だ。さらに二酸化炭素(CO2)による気候変動のコストは、2100年までに1兆ドルを超えるともいわれる。CO2を削減する技術はあるが、それを装備すると石炭火力の建設費は原発より高くなってしまう。

しかしこのような環境リスクは技術的に削減でき、そのコストは今後100年に大きく低下するだろう。石炭を使い続けることは100年後の人類に環境悪化という重荷を背負わせるが、彼らはわれわれよりはるかに豊かになる。気候変動のリスクを金利で割り引いた現在価値は100億ドルのオーダーで、それほど大きな問題ではない。不毛な原発論争はもうやめ、現実的な数字でエネルギー政策を考えてはどうだろうか。

池田信夫


関連記事

o03200214index.iapp

電気代が上がって会社が倒産?解雇?

この夏の電気料金は上昇していますか? 電気代があがって会社が倒産する?解雇する?という記事がありま

記事を読む

no image

政投銀支援に電力2社困惑 強まる国の関与警戒「解体への第一歩」

お疲れ様です。 電力会社の経営者、原発神話にどっぷり漬かっていたからしょうがないんでしょうね。

記事を読む

no image

電気代の上昇が家庭と製造業にどれだけ影響しているか把握していますか?そしてその削減方法は?

原子力発電所の再稼働が遅れています。その影響はどの程度なのでしょうか? 日本経済新聞に以下のような

記事を読む

no image

電力確保。次の課題は?

お疲れ様です。 電力事業の参入、止まらないですね。 地場のガス小売り企業まで参入しています。

記事を読む

no image

やっぱりおかしいエネルギー基本計画

お疲れ様です。 今日も考えました。 エネルギー基本計画。 この計画に則って進めて行ったときに、

記事を読む

no image

ご当地エネルギー

お疲れ様です。 再生可能エネルギーの発信の仕方として面白いですね。 従来の日本型モデルでは、

記事を読む

no image

脱原発は・・・

お疲れ様です。 とうとうエネルギー基本計画が閣議決定されました。 東北大震災を経験した国

記事を読む

no image

「関東経産局、中小企業の環境視点を取り入れた改善事例集第2弾を公開」

お疲れ様です。 関東経済産業局が、事例集を出しましたね。 参考になると思いますので、載せ

記事を読む

no image

大飯原発が運転差し止め。電気料金への影響は。。。

お疲れ様です。 大飯原発の運転が差し止めになりました。 安全が確保できていない状況で運転をお

記事を読む

no image

シェール革命のインパクト『シェール革命と日本のエネルギー』

お疲れ様です。 これからのエネルギー情勢はどうなっていくのでしょうか? エネルギーを管理される方

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

    • 環境ビジネス
    • 一般社団法人環境共創イニシアチブ
    • 環境省
    • クール・ネット東京
    • エネポ
    • 経済産業省、資源エネルギー庁
    • 政府の節電ポータルサイト
    • 環境エネルギー政策研究所
    • 財務省
    • イーアンドイープラニング
    • スマートエナジー株式会社
    • 蓄電節電ドットコム
    • CO2削減ナビ
    • 省エネルギーセンター
PAGE TOP ↑