海賊と呼ばれた男 国岡鐵造(出光佐三) 油の将来
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最終更新日:2014/07/29
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海賊と呼ばれた男 百田直樹の作品。
本屋大賞を受賞してます。「永遠のゼロ」でもヒットしていましたが、読みたかった本、やっと読めました。
出光興産の創業者です。
出光興産自体にはそれほど興味を持ったことはありませんでした。以前、千葉の袖ケ浦にすんでいたとき、出光興産の大きな工場があったことは覚えています。
日本が抱えるエネルギーに関する課題を解決してきた人たちの物語です。
戦前、戦後の日本はエネルギー自給率が低く、産業基盤が非常に脆弱でした。当時は石炭が主流ななか、石油の将来性に鐵造さんはかけたのです。
そのビジネスモデルは、斬新でダイレクトモデル。
当時の油を扱う社会システムは、統制された配給型のシステムであり、消費者と生産者の間には非常に多数の問屋が存在し、産業が発展するには余りに重い「錘」がぶら下がっている状態でした。そこを、大地域小売店という理念で打破してきたのです。
その労働力の供給方法が今の社会では実現できそうにない。
今の、はやりのことばでいうとブラック企業に分類されるのでしょう。しかし、そこで働く人足りは充実し、権限委譲され、よく働き、充実している。そこに、労働組合、残業などという、雇用者・労働者という理念自体が存在しません。
それを実現してきた「出光佐三」、ソフトバンクの孫さんに似ていると思う。
油の流通を改革してきた出光さん、「中間搾取のない販売システム」を作りあげました。これは、統制されたシステムの改革になるんだと思います。
NTTがもっていた利権を解放し、中間流通を減らし、消費者に適正な価格で価値を提供するモデル。
時代と対象、方法は違っても、基本的な狙いどころは同じです。
電力業界は、この対象になる。そして、・・・
今の電力会社は、この物語の「油」の配給機構、「情報通信改革」と同じように、規制解放の対象になろうとしています。
これまでは、従来の油中心の社会から、原子力中心の社会、そしてその原子力の安全神話が破壊された中で次ぎにくる産業を見つける必要があります。
その次にくる産業はなにか?
LED?、高効率空調?、再生可能エネルギー?、燃料電池?、水素エネルギー?、いろんなキーワードが出てきていますが、・・・
エネルギーの適材適所
再生可能エネルギー、燃料電池、色々なアイテムが出始めてはいますが、それらはあくまでパーツ。それらの使い方こそが重要だと考えています。
そのためには、すべてのエネルギーに関する診断、その診断結果に基づく、処方(様々な打ち手、例えば再エネとか省エネとか)が重要で、それらを効果的に広げていくことが次のビジネスになります。
余談ですが、出光佐三、憧れる〜
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